これから「4代目の想い」
東邦ステンレス工業株式会社 取締役 子安 佳子
略歴:卒業と同時に、祖母である社長の秘書のような形で東邦ステンレス工業に携わり、秘書検定を取得。2010年、1級土木施工管理技師の資格を取得。2003年、同社取締役に就任、現在に至る。
幼い頃から、お手伝いをしながら初代代表取締役だった祖母や2代目代表取締役であった父の背中を見て育ちました。
そのような環境を通じて、交通安全に対する意識が自然と育まれたように思います。今でも、歩いていて視線誘導標が壊れているのを見かけたりするとたいへん気になり、「なんとかしなければ…」と思ってしまうほどです。

それ以上に二人から学んだのは、仕事に対する姿勢かもしれません。祖母の時代は女性の経営者が珍しく、現在ほど多様性の時代でなかったこともあり、受け入れてもらうのに非常に苦労したと聞いています。それもあってか、「売ってもらえるというのは、とてもありがたいこと。だから仕入れ先様を大切に、支払いなどはすぐにやるように」ということを常々言っていました。商品を買っていただくお客様だけでなく、仕入れ先様も大切にするというスタンスをしっかり学ばせてもらったと思います。

父については、いつも仕事のことばかり考えている人でしたが、それがとても楽しそうで、「今度は何をやるのだろう?」とワクワクしながら見ていました。夜な夜な商品開発に取り組んでいた姿が印象に残っていますが、とりわけ「取り付けやすさ」にこだわっていたことを思い出します。交通安全への思いはもちろん、取付工事をする人のことまで思い浮かべていたのです。現場でスピーディーに作業ができることは、安全面でも業務効率の面でもメリットは大きいですよね。道路鋲からライン引きへと主要事業を時代に合わせて変えていくなど、常に先を見据えて仕事に取り組んでいた姿勢を真似することはなかなか難しいですが、意識するよう努めています。
当社のスローガンは「環境にやさしく、道路にやさしく、そして人にやさしく。」。これを特に実感するのは、創業当初から今でもお付き合いのあるお客様から祖母のことを聞く時です。「大変だった時に、あなたのおばあさまにこういう風に助けてもらったんだよ」という話を、本当に数多くのお客様から聞きます。先ほどの仕入れ先の話のように、祖母は常に感謝の心を持って仕事をしていたと思います。
東邦ステンレス工業は、どこにも負けないくらい交通事故をゼロにしたいという思いを強く持っている会社です。「人にやさしく」を、製品を通じて体現することはもちろん、ステークホルダーの皆様との日々の仕事を通じても表していきたい。その思いを、次の世代へと受け継いでいくことが私の役割だと思っております。
略歴:卒業と同時に、祖母である社長の秘書のような形で東邦ステンレス工業に携わり、秘書検定を取得。2010年、1級土木施工管理技師の資格を取得。2003年、同社取締役に就任、現在に至る。
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